IDECが推進する「協調安全/Safety2.0」
IDECが推進する 協調安全/Safety2.0
近年目覚ましい発展を続けるICT(情報通信技術)により、私たちの日常生活が様々な場面で便利になっています。また、産業分野でも生産効率や利便性の向上などを目的として活用されています。
そして、このような技術の進歩にあった安全を確保する技術が求められています。
IDECでは、次世代の安全技術として労働災害や産業事故を撲滅し、かつ生産性の向上で経営効率アップの実現を可能とする『協調安全』の考え方、ならびにそれを実現する技術方策である『Safety2.0』を推進しています。
安全とは?
「安全」とは、国際規格で「許容不可能なリスクがないこと」(ISO/IEC Guide 51より)、と定義されています。
これまでは下図のように、人の安全を確保する方法は、人の注意力に依存する段階(Safety0.0)から、人と機械を隔離、または機械を停止する安全(Safety1.0)へと進化してきました。さらに、技術革新によるスマート化が進み、人と機械が共存する環境が増えているこの新しい時代で必要な安全の考え方として「協調安全/Safety2.0」が提唱されています。
協調安全/Safety2.0
「協調安全」は、「人間(人文科学)と技術(自然科学) と組織・環境(社会科学)とがお互いの情報を共有し協調,調和して安全を確保する概念」であり、ICTの発展によりこれまで個別に扱われてきたものを繋げる・繋がる新しい安全として、日本から発信されています。この「協調安全」を実現するための一つの技術的手段が「Safety2.0」であり、「ICTを用いて協調安全を実現する技術」と定義されています。この技術を利用して「人」、「機械」、「環境」が情報を共有して全体を効果的・効率的に協調させることで安全を実現します。
協調安全/Safety2.0で実現できる4つのこと
止めない安全
人の能力に応じて、機械の速度を制御したり、ゾーンを決めたりすることで、安全性と生産性を両立することが可能となります。
例えば、作業者の技術レベルや健康状態を見分けて、作業者毎に最適な「安全を確保しながら、できるだけ機械を止めない制御」を実現することによって安全性と生産性の向上を実現します。
安全の見える化
ICTを活用して、人の体調、設備の状態を常に監視することで、安全状態を見える化し、異常発生時に適切な処置を行うことが可能になります。
コラボレーション・フェールセーフ
従来のフェールセーフは、部品や機械、設備そのものが故障した際に安全側に壊れるという設計概念のことでしたが、協調安全/Safety2.0では、ICTによって機械や人、環境も統合したフェールセーフを実現することができます。
設備占有エリアの省スペース化
人と機械の共存を可能とすることで安全柵が不要となり、機械/設備の占有面積を小さくすることができます。
CSL(Collaborative Safety Level)
機械安全/Safety1.0では、機械の持つリスクの大きさに対し、機械の安全機能を実行する制御システムの安全関連部の信頼性レベルを、単位時間当たりの危険側故障発生確率で区分した「パフォーマンスレベル(PL)」という指標が存在します。
それに対して協調安全/Safety2.0では、安全性と生産性の最適度を示す新たな指標「CSL(Collaborative Safety Level)」(表1)が必要になるとIDECは考えています。
この指標を利用して、協調安全/Safety2.0システムの構築後に、当該システムの協調安全レベルを確認し、同時に不足している要素を認識することで、今後の安全化レベル改善に向けての方向性や可能性の議論が行えます。
| Safety2.0要求事項 | Collaborative Safety Level (CSL)の要求事項 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 項目 | 内容 | CSL 1 | CSL 2 | CSL 3 | CSL 4 |
| 人の行動エリア内で、危険事象回避が可能となる手段を確保する | 人の情報を活用し、危険事象を回避するように機械を制御する | CSL 2に加えて、機械からの高度な情報により、人に行動を促すことによっても危険事象を回避可能とする | 人と機械の状態を最適な安全状態となるよう、リアルタイムに制御する | ||
| 基準 | 人・モノ・環境等の各構成要素を情報(ICT)でつないでいる | 人の情報をモノに伝達 | 人・モノ接続により、モノに人の情報を伝達し、機械を制御 | 人・モノ接続により、人にモノの状態を伝達し、人の回避行動を促す | 人・モノ(および環境)接続により、相互状態の最適化を制御する |
| リスク関連情報(危険・安全情報)をモニタリングし、発信している | 危険情報のモニタリングと情報発信 | 人の行動、状態の発信により、人のリスクを確認(低減)する | モノの動作情報、蓄積情報を発信し、機械のリスクを確認(低減)する | 人・モノ・環境を含めた様々な要素のリスクを共有・確認(低減)する | |
| リスク関連情報を受けて自律的、あるいは他律的な制御により安全側に導いている | 人の行動・操作(他律制御)により危険事象を回避する | 関係する人の行動・操作(他律的制御)、状態確認(自律的制御)により、モノが危険事象を回避するよう制御する | モノの動作情報、蓄積情報を発信・解析し、人の操作(他律的)、機械の制御(自律的)により人が危険事象を回避するように導く | 人・モノ・環境を含めた様々な要素を分析、学習し、最適なリスク低減を実施しつつ、自律的に危険状態を回避する | |
| 生産性への貢献度 |
新規設備の場合:目標生産能力の実現、もしくは能力の向上 既存設備の場合:生産能力の維持、もしくは能力の向上 |
||||
| 通信/制御技術 | 信号レベル | データ通信 | インタラクティブな通信 双方向 | AI活用 | |
協調安全/Safety2.0実現のための4つの要素
協調安全 Safety2.0は、技術だけでなく、社会ルール・人材・マネジメントも含めて4つの要素が互いに情報共有し、協調することで、高いレベルでの安全性と生産性の両立を実現します。
「安全」を企業の戦略要素と位置づけるトップマネジメントによる強力な推進により、人と危険が共存する環境における新しい安全と高い生産性が実現可能となります。
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