私は台湾和泉電氣股分有限公司という販売会社の現地責任者として現地スタッフと同行し、商談やプレゼンなどの営業活動と管理などのマネージメントを主に担当しています。日本人は私だけなので社内のコミュニケーションは、中国語がメインになっています。
お互いが言葉の理解だけではなく、言葉の奥にある思いまで理解しあえるのに時間がかかることもあります。言葉の壁を乗り越え、スタッフと力を合わせて台湾でのIDEC製品拡販に全力を注いでいます。
私は日本で営業やマーケティングの仕事をしてきました。海外で仕事をするということは考えたこともありませんでしたが、海外で仕事をするチャンスを貰えたことはとても感謝しています。
台湾での営業は言葉も習慣も違えば、お客様への提案方法も違います。日本と台湾の違いに最初は戸惑いましたが、新しい環境で新鮮さと刺激のある毎日に楽しさを感じています。日本では学べなかった言葉や考え方などを学べ、良い経験ができているのではないかと思っています。これが自分のキャリアになるようにしたいと思っています。
営業というのはただ商品を売るだけではなく、その前にお客様との信頼関係を築くことが大切だと考えています。台湾でも同じように、単にビジネス面だけでなく台湾の人々の考え方、生活様式など様々なことを学び、吸収し、実践に生かし、信頼を積み重ねていくことを心がけています。
海外勤務を希望される方も多いと思いますが、これだけは大切にしてほしいと思っていることがあります。それは「文化の違い」をお互いが受け入れあう気持ちを持つということです。
「現地の文化」を尊重し、良し悪しの判断は「日本の文化」を基準に考えないことが大切だと思っています。「現地の文化」には過去から引き継がれてきた歴史があり、それが前提となって生活が成り立っています。それを「日本の文化」を基準に考え、否定してしまうことは大変失礼なことだと思います。当然、仕事上で考え方が一致しないことはあります。そのときには何故そう考えるのかをきちんと説明することが大切だと思っています。そして相手が何故そう考えるのかを聞くことも同じように大切だと思います。
互いの文化の違いを理解し仕事をしていくということは言葉では簡単ですが、どうしてもそれまでの自分の経験で判断してしまい、実際はすごく難しいことだと感じています。
今は現地の責任者という立場ですが、スタッフには私の考え方を一方的に押し付けるのではなく、お互いの文化や考え方の違いを頭に入れて話し合いをし、両者が納得して仕事を進めていくよう心がけています。海外勤務を希望する人にはぜひ「現地の文化」を尊重し、「現地の文化」を楽しんで欲しいと思います。
着任して直ぐに台湾和泉電氣股分有限公司で初の展示会へ出展したことが一番の思い出です。「お客様に何を伝えたいか」この思いを中心にスタッフと展示物の作成やデザインなどを協議し作り上げました。ここでも「文化の違い」を感じることになりました。台湾では事前の集客活動を行わず、展示会に来場したお客様に対応するだけというスタイルが主流でした。そこで、IDECが展示会で行っている集客活動のノウハウを導入して、招待状送付から始まり、お客様に積極的に来場してもらうよう働きかけを行いました。
最初は慣れない仕事に戸惑いも多かったのですが、展示会場で招待したお客様と営業が商談をする姿を見て、このように展示会をやってよかったなと思いました。今ではこのような集客活動もすっかり定着しています。
私が台湾に来て「就職」について感じたことをお伝えしたいと思います。私は職務上良く採用面接を行います。そこで感じたことは、台湾の人は就職をする際に「仕事」を選ぶということです。台湾では会社員の75%が独立を考えているという統計があり、あまり会社をこだわらないというのもあると思います。「自分のやりたい仕事ができるか?」「この会社でキャリアアップができるか?」ということを会社選択の基準にしています。
つまり「どこの会社に就職するか?」ということを基準にしていないのです。このあたりは日本とは少し違うなと思いました。そしてその考え方がとても新鮮に感じましたし、同感できるなという気持ちになりました。「自分はどのような仕事をしたいのかな?」「それが実現できるのはどこかな?」ということも考えてみてはいかがでしょうか?